【大間港跡】かつて栄えた港と構造物が情緒あふれる絶景を織りなす@新潟県佐渡市

新潟県佐渡市にある大間港跡は、かつて佐渡の鉱業に貢献した人工的に作られた港で、当時の構造物が未だ残されています。人工的に作られた港は200年もの時を超え、今でも構造物が織りなすノスタルジックな風景を見に訪れてみました。

佐渡ヶ島の西部相川エリアにある大間港跡

佐渡市相川エリアの北沢浮遊選鉱場跡からほど近い海沿いにある大間港跡は、製鉱所を作った際に出た土砂で埋め立て、1892年(明治25年)には石灰などを使った「たたき工法」を用いて作られた人工の港です。

たたき工法とは、石灰などに少しの水を混ぜてたたき固める方法で、コンクリートが普及する前に明治時代の土木技術者「服部長七」が考案しました。

採石場で使う燃料や物資、また採掘された鉱石の運搬などに大間港が利用されていたのだそうです。

のどかな海沿いの地に残される貴重な建築遺産

相川の県道45号から数十メートル海沿いに進んだところにある大間港跡。向こう側に石造りの構造物がみられます。

案内板もあり大間港の歴史を教えてくれます。レンガ倉庫などは今でも資材置き場として使用されているのだそうです。

かつて繁栄した港の面影が残る港跡は、ちょっぴり廃墟感があり静かで少し寂しげな雰囲気。

文化庁の全国ロケーションデータベースにも登録され、ロケ地にもぴったり。また佐渡鉱山の発展に貢献したことから、土木学会の選奨遺産にも登録されています。

全国ロケーションデータベース

土木学会選奨土木遺産

大間港跡を歩く

かつての港の構造物をご紹介しましょう。

道路から入ってすぐに目に飛び込んでくるのがこのトラス橋。ホッパー施設で停泊した船に鉱石などを落とし、積み込みを行ったといわれ、岸側は船が着岸できるようになっています。小型の船が入るようなイメージの港です。

護岸近くにあるローダー橋脚は、鉱石などを運ぶための橋を支えていた構造物で、昭和13年頃に作られたそう。石炭を効率よく運ぶための橋だったよう。一体当時どのような橋がかかっていたのか、とても気になります。

この不思議な建造物はなんだろう?と思ったのですが、貨物を荷揚げするためにクレーンを置いていた台座なのだそう。円錐台形で上は鉄筋コンクリート、下は石積で構築されています。

金属と石造りの構造物が繁栄と歴史を物語り、ノスタルジックな絶景を醸し出します。晴れた日の水平線に沈む夕日はきっと圧巻なのでしょうね!

大間港跡の詳細情報

住所:新潟県佐渡市相川柴町16

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